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	<title>カルチャー &#8211; アオイロノヲト</title>
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	<description>文具と暮らしを綴るブログ</description>
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	<title>カルチャー &#8211; アオイロノヲト</title>
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		<title>気持ちが外向きになる「移動」にまつわるエッセイ──『もうしばらくは早歩き』感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/hayaaruki-9297</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 01 Jun 2026 23:42:40 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/426ba4ee7e1583afcc9b86696838ce12-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>hayaaruki]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/426ba4ee7e1583afcc9b86696838ce12-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>「移動」をテーマにしたくどうれいんさんのエッセイ集『もうしばらくは早歩き』を読んだ。</p>



<p>新幹線や車、飛行機に、人力車なんかも出てきて、限られた切り口でも幅広い話があるものだなあとおもしろかった。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>今のわたしにとって「移動」はホットなトピックで、だからこの本を読んだところがある。</p>



<p>ちょっと調子を崩してから、家から出ることが怖くなってしまったのだ。だからわたしはここ最近、毎日家の中でじっとしている。</p>



<p>さまざまな「移動」の話を読んで、家の中にいながらわたしもくどうさんとともにいろんな景色を見た気になった。内にこもっていた意識が、少しだけ外を向くような気配がした。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>読んでいて特に心にとまったのは、車に関するエピソードだった。わたしはドライブが大好きだから、どれも「わかるわかる」なんて頷きながら読んだ。</p>



<p>車通勤での、運転している35分間をどう過ごすかという話。くどうさんはラジオを聴いてみたり、歌を歌ってみたり、友人と通話してみたりする。</p>



<p>運転って、忙しいけど暇、という矛盾した行為だと思っている。気をつけなければいけないことがたくさんあるから常に注意を払ってはいるんだけど、耳が空いている。ただひたすら運転だけに集中し切るには、少し退屈なんだよなあ。</p>



<p>わたしも車を運転してきたけれど、結局は無難にラジオを聴くことに落ち着いた。</p>



<p>以前住んでいた場所では長めの時間を運転する必要があって、そのときに好きなラジオ番組の聞き逃し配信を流すのがちょうどよかったんだ。そんなことを思い出した。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「旅というより、移動が好きです」</p>



<p class="has-text-align-right">p6</p>
</blockquote>



<p>本書の冒頭で、くどうさんはこう言っている。わたしも、旅行に行きたいと思う気持ちの8割くらいは移動のしたさな気がしているから、この言葉には大いに共感する。</p>



<p>昔、親戚の家まで何時間もかけて車で向かった道中。立ち寄るサービスエリアは特別な場所で、非日常の象徴だった。</p>



<p>現在でも、車で遠出するときはサービスエリアに寄ることがメインイベントと思っている節がある。</p>



<p>旅に出る前にはルート調べ、その道中にどんなサービスエリアがあるか確認する。ちょうど休憩が必要そうなところに素敵な(例えばちょっと変わったソフトクリームが売られているとか)サービスエリアがあると、その旅の成功は約束されたもの同然だ。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>移動にまつわるこのエッセイたちを読みながら、またいつか好きなだけ移動できる日を夢見ていた。</p>



<p>今は自由に動けないかなしさと、そのいつかは必ず来るという少しの空元気が、わたしの中に同居している。</p>



<p>そのときがきたらまた、このエッセイを読みたいと思う。きっと今のわたしとは、ちがうことを感じることができるだろうから。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「先に体験する」という無償の愛──『死神の浮力』感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/buoyancy-of-death-9603</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 25 May 2026 00:59:54 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/ba54252cc4b77e6f039e953917577561-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>「死が怖いか？」と問われたら、わたしは何と答えるだろう。そう考えたとき、自分は当たり前に「怖い」と返す気がする。 しかし、『死神の浮力』に登場するある人物は、「たぶん、怖くないです」と言う。 娘を殺された山野辺夫妻が、そ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/ba54252cc4b77e6f039e953917577561-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>「死が怖いか？」と問われたら、わたしは何と答えるだろう。そう考えたとき、自分は当たり前に「怖い」と返す気がする。</p>



<p>しかし、『死神の浮力』に登場するある人物は、「たぶん、怖くないです」と言う。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>娘を殺された山野辺夫妻が、その犯人でありながら無罪判決を受けた本城への復讐を企てるところから物語は始まる。</p>



<p>そこに現れるのが、死神の千葉。人間の死の可否を判定することが仕事である彼は、今回の担当である山野辺を調査するために夫妻と行動を共にすることとなる。</p>



<p>本城を追う山野辺夫妻と千葉の、1週間の話。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>山野辺夫妻には大事な一人娘・菜摘がいて、本城の手によって彼女を失ってしまった。</p>



<p>物語の中では、その悲しみ、つらさが折に触れて語られる。</p>



<p>わたしには子供がいなくて、正直に言うと最初は激しく悲しみ復讐に燃える山野辺夫妻にそこまで感情移入ができなかった。どこか人ごととして、それこそ人間の心の機微がわからない死神の千葉に近い視点で見ていたかもしれない。</p>



<p>しかし、作中で繰り返し語られる菜摘の記憶を夫妻と共にたどるうちに、気づいたときには山野辺たちの気持ちに自分が寄り添っていることに気づいた。</p>



<p>日常の中のささいなきっかけで思い出される菜摘の記憶。両親の出会いのきっかけを知り、それを真似て好きな子に使おうとする、そんな生前の微笑ましいエピソードを2人が思い出したとき、わたしも一緒にその光景を想像して、気づいたら涙が流れていた。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>もう1つ、印象的なエピソードがある。</p>



<p>山野辺の父が末期がんで最期を自宅で過ごす中で、山野辺に言った言葉が忘れられない。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「先に行って、怖くないことを確かめてくるよ」</p>
<cite>p490</cite></blockquote>



<p>自分が死ぬことはもちろん、息子が死ぬことが怖いと言っていた父親。そんな怖がりな彼が、自分に死が迫る中で息子に言った言葉がこれだった。</p>



<p>陳腐だけれど、そこには大きな親の愛があると感じた。</p>



<p>死は人間なら誰でも怖い。それでも、こう言ってくれる親がいたら、どんなに心強いだろう。</p>



<p>この言葉には父親の強がりが多分に含まれているんだろう。でも、その強がりも含めて愛だとわたしは思う。</p>



<p>子どものために親ができるのは、先に体験してあげること。死もその例外ではなくて、だからわたしはこの父親の言葉に無償の愛を感じるし、先に行ってあげられなかった山野辺のつらさも痛いほど感じる。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>この小説を読んだわたしの答えは、変わらず「死は怖い」のままだ。</p>



<p>だけど、本作の中で人間や死神によって語られるさまざまな「死」に対しての考え方を読んでいると、死に対しての捉え方は人それぞれ、それでいいと感じた。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「死」は特別じゃない、でも大事なこと──『死神の精度』感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/accuracy-of-death-9299</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 18 May 2026 23:08:15 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/8e5a45d7fd30e07bed422174518b9840-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>日常の中で「死」を意識することは、そう多くない。少なくともわたしは、自分の「死」をどこか遠い存在として認識しています。 今回読んだ『死神の精度』は、死神という特殊な存在を通じて、わたしたちがいつか必ず直面する「死」につい [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/8e5a45d7fd30e07bed422174518b9840-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p> 日常の中で「死」を意識することは、そう多くない。少なくともわたしは、自分の「死」をどこか遠い存在として認識しています。</p>




<p>今回読んだ『死神の精度』は、死神という特殊な存在を通じて、わたしたちがいつか必ず直面する「死」について考えるきっかけをくれる小説でした。</p>




<p>■</p>




<p>人間の「死」を判定する死神・千葉。彼は対象となる人間に近づき、7日間の観察を経た上で、その人間の死を「可」か「見送り」かを判断する。</p>




<p>真面目で音楽好き、人間とはどこかズレた感性を持つ千葉が、さまざまな人間と出会いながら任務をこなしていく。この小説はそんな連作短編集です。</p>




<p>■</p>




<p>死神の仕事を描いた本作の物語は、常に死が付きまとう。それなのに終始カラッとした雰囲気が漂っていると感じられるのは、やはり死神・千葉の存在の影響が大きいでしょう。</p>




<p>わたしがこの小説で好ましく思ったのが、千葉のキャラクター性が最後まで全くブレなかったこと。</p>




<p>人間はあくまで観察対象であり、彼はいつも淡々と「死の判定」という自分の仕事をこなす。</p>




<p>基本的に、死神は観察対象の死に「可」の判定を下す。情に流されたり、特別な思い入れを持つことはない。</p>




<p>その「死神らしさ」が物語の最後まで貫かれていて、そのおかげで誰のそばにもある「死」を軽快に描くことに成功しています。</p>




<p>■</p>




<p>死神は、自分が死神であること、その仕事の内容を対象者に伝えることはありません。ただ近づき、観察するだけ。</p>




<p>しかし、この作品を読んでいると「もし自分に死神が接触してきたら」と考えずにはいられないのです。</p>




<p>7日後に死ぬ(かもしれない)として、自分はどう感じるだろうか。死に怯えるのか、受け入れるのか。これまでの人生を「良いものだった」と思えるのだろうか。</p>




<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「幸せか不幸かなんてね、死ぬまで分からないんだってさ」</p><p>p299</p>
</blockquote>



<p>どんなに不幸なことが起こっても、その人生自体が幸せか不幸かどちらだったかは、死ぬときにならないと分からない。ある人物が作中でそう持論を述べます。</p>




<p>なるほど確かに、死という皆に平等に訪れる終わりが来るまでは、どれほどつらい出来事があっても人生はつづきます。</p>




<p>そのあとに起こることは人間には予測できないのだから、自分の人生の幸不幸は死ぬまで判断できないものなんですね。</p>




<p>■</p>




<p> 死神の目線からの人間の死は、それを見届けることが仕事である彼らにとって、特別なものではありません。</p>




<p>しかし、作中ではこんなやりとりが登場します。</p>




<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「人が死ぬことってどう思う？」</p><p>「特別なことではない」</p><p>(中略)</p><p>「でも、大事なことだよね」</p><p>p323</p>
</blockquote>



<p>特別じゃないけど大事なこと。その言葉が、わたしの心に残りました。</p>




<p>当たり前だけど「大事」なこと。この世には、そんなことが大小溢れているのだろうな。</p>




<p>『死神の精度』は、「死」という一見大きなテーマを通して、もっと小さな、わたしたちが今生きている日常の些細な「当たり前」を思い出させてくれる物語なのかもしれない。</p>




<p>読み終わった今、わたしはそう感じています。</p>




]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>『水車小屋のネネ』感想──30年をともに生きる物語</title>
		<link>https://bluelog-note.com/suisyagoyanonene-9799</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 15 May 2026 00:54:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f-7-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>『水車小屋のネネ』は、事情を抱えた姉妹・理佐と律が、家を出て2人で生きていくところから始まる物語です。 たどり着いた先で出会うのは、水車小屋で働く人々と、人の言葉を話すヨウムの「ネネ」。そこで働きながら、姉妹はさまざまな [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f-7-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>『水車小屋のネネ』は、事情を抱えた姉妹・理佐と律が、家を出て2人で生きていくところから始まる物語です。</p>



<p>たどり着いた先で出会うのは、水車小屋で働く人々と、人の言葉を話すヨウムの「ネネ」。そこで働きながら、姉妹はさまざまな人と関わり、助けられ、時には誰かを支えながら長い年月を生きていきます。</p>



<p>派手な事件が起きる小説ではない。けれど、読み終えたあとには、不思議と長い人生をともに歩いたような感覚が残る作品でした。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>最初は、理佐と律の姉妹だけで生活を始める展開に驚きました。姉の理佐はまだ高校を卒業したばかりの18歳だったから。わたしは比較的ぬくぬくと育ってきた自覚があるので、あんなふうに自分たちだけで生きていく決断をする2人を純粋に「すごい」と思ったのです。</p>



<p>もちろん、それは前向きに選び取ったというより、必要に迫られた結果。それでも、まだ若い2人が生活を作っていく姿には強さがありました。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>この物語で特に印象に残ったのは、2人の周囲にいる大人たちの存在です。</p>



<p>誰かが劇的に救ってくれるわけではない。でも、働く場所を与えてくれたり、気にかけてくれたり、ごはんを食べさせてくれたりする。そのさりげない優しさが、読んでいて何度も心に沁みました。</p>



<p>それは、津村記久子さんの淡々とした筆致によって描かれているからこそ、押し付けがましく見えない。本当に優しい人というのは、案外ああいうふうに自然に誰かを支えるのかもしれない気がします。</p>



<p>作中で律が「自分は周りの人々に恵まれている」と感じる場面があるが、まさにその通りだと感じました。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>そして、この小説の魅力は、30年という長い年月を描いているところにもあります。</p>



<p>大きな事件が起き続けるわけではない。それでも、2人が働き、食べ、生きていく日々を追いかけるうちに、いつの間にかこちらも長い時間を共に過ごした気持ちになります。</p>



<p>読み終えたあとには、「物語を読んだ」というより、「誰かの人生をそばで見守っていた」ような感覚が残りました。</p>



<p>あとがきには、「本書が誰かの良い友人になることを願っています」と書かれています。まさに、その言葉通りの小説だったとわたしは思います。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>名前のつかない曖昧な関係性に悶える──『ファミレス行こ。』感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/family-restaurant-9298</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 13 May 2026 01:29:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[漫画]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/469f21c7945646e3f949f78362f0305f-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>名前のつかない関係、が好きだ。 和山やま先生『カラオケ行こ！』の続編『ファミレス行こ。』も、そんな曖昧な関係の2人を描いた漫画です。 大学生になり東京で1人暮らしを始めた聡実は、ファミレスでアルバイトを始める。そこで再会 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/469f21c7945646e3f949f78362f0305f-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>名前のつかない関係、が好きだ。</p>



<p>和山やま先生『カラオケ行こ！』の続編『ファミレス行こ。』も、そんな曖昧な関係の2人を描いた漫画です。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>大学生になり東京で1人暮らしを始めた聡実は、ファミレスでアルバイトを始める。そこで再会したのは、ヤクザであり、中学時代に歌を教えた相手である狂児。</p>



<p>相変わらずつかみどころのない彼との微妙な関係性の変化を描いた作品、それが『ファミレス行こ。』です。</p>



<p>和山さんの描く独特の間とシュールな笑いがクセになる。シリアスなシーンもどこか抜け感があり、読んでいて心地よいです。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>わたし自身が1年ほど前から大阪に住み始めたこともあり、作中に出てくる大阪ネタがちょっとわかるようになったのが、『ファミレス行こ。』を読んでうれしかったことの1つ。</p>



<p>551の豚まんも、りくろーおじさんのチーズケーキも食べたことあるぞ……！　こういうネタを実体験として拾えるとよりリアリティを持って楽しむことができるのでうれしい。</p>



<p>内容については、思っていた以上に聡実が狂児へクソデカ感情を抱えていて、それが最高だよねって話です。</p>



<p>気づいたら狂児にハグしてしまっていて、その理由に思い当たらず悶え悩む様子は、読んでいてなんとももどかしい。</p>



<p>一方の狂児も、組長宅で物陰からこちらを睨む黒猫に聡実を重ねてしまったり。</p>



<p>のらりくらりとしていて何を考えているか掴みづらい人物だと思いながら読んでいたけれど、彼の中にも確実に聡実という存在が入り込んでいることがわかる、個人的にグッと来た描写。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>わたくし、ブロマンスというジャンルが大好物でして。友情でも恋愛でもない、男性同士の親密な関係性のこと。バディものとかね。</p>



<p>前作『カラオケ行こ！』では2人は中学生と大人であったためもう少しライトな、ヤクザに振り回される中学生というコメディ要素が強かったように思います。</p>



<p>が、『ファミレス行こ。』では聡実はすでに大学生。まだまだ青い部分が多いものの大人に片足を突っ込んだ彼と、大人として落ち着きも出てくる年齢の狂児は、既存の言葉では定義できない不思議な関係に至っています。</p>



<p>「ようわからんけど大切」。あえて表すならそんな言葉でしょうか。</p>



<p>物語のラスト、聡実が狂児へ正直な思いを吐露するシーンが本当に良すぎた。一連のセリフは、聡実の真面目で誠実な性格が強く表れたものだと感じます。</p>



<p>物語は完結したのでこれからの2人の関係がどうなっていくのかをわたしたちが知る由はない。けれど最後までふわりとすれ違い続けた様子から、このまま「お互いがお互いをなんとなく放っとけない存在」みたいな関係性が続けばいいなあ、なんて思っています。</p>


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		<title>コーヒーも人生もほろりと苦い──『喫茶おじさん』感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/kissaojisan-9284</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 08 May 2026 01:08:14 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://blueium.jp/?p=672</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/b3a695920ae89d187ad9c951af27114a-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>癒される小説が読みたい。そう思っていたところで目にした『喫茶おじさん』というタイトル。 きっと喫茶店を舞台にしたほのぼの作品だろうと思っていたら、その予想はある意味で裏切られます。 わたしが本当にやりたいことって何だろう [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/b3a695920ae89d187ad9c951af27114a-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>癒される小説が読みたい。そう思っていたところで目にした『喫茶おじさん』というタイトル。</p>



<p>きっと喫茶店を舞台にしたほのぼの作品だろうと思っていたら、その予想はある意味で裏切られます。</p>



<p>わたしが本当にやりたいことって何だろう？　読みながら、気づけばそんな自問自答をしていました。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>大手ゼネコンに勤めていたものの早期退職し、現在は無職の松尾純一郎。妻と大学生の娘とは別居中。あるとき、喫茶店めぐりを趣味にしようと思い立ち、各地の喫茶店を訪れてはコーヒーやその店の名物を楽しむ。</p>



<p>この純一郎が、どうしようもないおじさんなんですよね。会う人会う人に「あなたは何もわかってないね」と言われ、しかもそれをたいして深刻に捉えていない。</p>



<p>読者であるわたしにも、確かにこの人は何かわかってない、的外れな感じだなと見てとれる。相手の事情を考えてみるということをしない彼に、読みながらヤキモキしました。</p>



<p>そしてついに、「自分どんなに恵まれているか、わかってない」と指摘してくれる人が現れます。</p>



<p>思いつきで喫茶店めぐりを趣味にした純一郎だけど、実は喫茶店への思いは取ってつけたものではない。退職金を元手に喫茶店を始めたものの、半年で潰してしまったという過去があるのです。</p>



<p>そんな自分が「恵まれている」なんて、と戸惑うものの、絶対に失敗できない人がいる中で自分は失敗することができる立場にいたのだと諭されます。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「あなたはじぶんがどれだけ恵まれているのかわかってない、ということじゃないかしら。それも知らずに文句ばっかり言って、周りをイライラさせてたってことでしょ」</p>



<p class="has-text-align-right">p234</p>
</blockquote>



<p>&#8220;わかっていない男&#8221;純一郎は、さまざまな喫茶店を訪れながら想いを巡らせる。そして、なぜ自分の喫茶店がうまくいかなかったのかその答えを知り、自分が本当にやりたいものは何だったのか、その原点を思い出します。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>純一郎を見ていると、彼はリアルで人間的だなと思います。ぼんやりと好きなこと、やりたいことはあるものの、それに無自覚なところ。自分の本心ではなく、何となくこの方が良いかな、という方へ流れてしまうところ。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>本当にちゃんと考えなくては、自分の人生を。</p>



<p class="has-text-align-right">p243</p>
</blockquote>



<p>正直あまり魅力的な人物とは思えないんだけど、彼が自分の気持ちを自覚していく過程が淡々と描かれていて、最後にはこのように考えるようになった変化はすばらしいことだよなと感じました。</p>



<p>自分の人生を生きることの難しさを感じている人は多いでしょう。本当にやりたいこと、望むものと向き合うことは時に苦しいけれど、純一郎がそうだったように、いくつになっても取り戻すことはできるはずです。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>それにしても、喫茶店って何であんなに魅力的なんでしょうね。純一郎みたいにその魅力に取りつかれて、いつか自分も理想の喫茶店を開きたいと思ってしまう気持ちはわたしにもよくわかる。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>人生の時間を潰す、というのも喫茶店の大切な役割だ、と思う。</p>



<p class="has-text-align-right">p204</p>
</blockquote>



<p>ただコーヒーを飲むためだけの場所ではない。空間そのものを味わいに行く場所。この作品内に出てくる「良い」喫茶店は必ず、何かしら店主のこだわりが存在しているのがその証拠。</p>



<p>わたしが大事にしたいこだわりって何だろう。そう考えさせられる小説でした。読後は喫茶店でおいしいコーヒーを飲みたくなること間違いなし。</p>


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		<title>『死ぬまで生きる日記』感想──自分の心の穴の形を知りたい</title>
		<link>https://bluelog-note.com/shinumadeikirunikki-9604</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 04 May 2026 05:20:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://bluelog-note.com/?p=9604</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/37d144a5ca67c1f68c52daf851365c72-1-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>『死ぬまで生きる日記』は、共感するところ、なるほどと気づかされることがたくさんある1冊だった。極めて個人的な話でありながら、読み手であるわたしに「自分のことが書いてある」と思わされる不思議な強さを持っている。 著者の土門 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/37d144a5ca67c1f68c52daf851365c72-1-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>『死ぬまで生きる日記』は、共感するところ、なるほどと気づかされることがたくさんある1冊だった。極めて個人的な話でありながら、読み手であるわたしに「自分のことが書いてある」と思わされる不思議な強さを持っている。</p>



<p>著者の土門蘭さんは、毎日のように「死にたい」と思いながら生きてきたそうだ。それをどうにかしたくて始めた、オンラインカウンセリング。本書はそのカウンセリングを通して変わってゆく土門さんの記録である。</p>



<p>芥川龍之介の遺書に書かれた「唯ぼんやりとした不安」に共感を覚えるエピソードが、身に覚えがありすぎて驚いた。まさにこう表現するしかない不安に襲われることがわたしにもよくある。文豪の的確な表現力には脱帽するばかりだ。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「そうです。解決しようとしない。自分はこのままでいいのだと、受け入れるんです」</p>
<cite>p100</cite></blockquote>



<p>今まさに、わたしは「あきらめる」をやりたいと考えているところで、そのままの自分を受け入れることが課題であるから、この話題が出たときは思わず前のめりになった。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「変わろうとし続けてきたのがRさんなのだとしたら、変わるのをやめるのってとても大きな変化だと思いますが、どうですか？」</p>
<cite>p100</cite></blockquote>



<p>そのままの自分を受け入れるというのは非常に困難で、うまくいかず悩んでいたから、何かヒントがあればと思いながらページをめくった。</p>



<p>その問いに対する明確な答えは提示されていなかったけど、その後を読み進めていきながら、わたしはわたしに「あなたはどうしたい？」と問いかけ続けていた。</p>



<p>9章まで読み進めて一旦休憩を、と本を置いたとき、本の内容を咀嚼しながら自分と向き合いたいと強く思った。居ても立っても居られなくなり、散歩に出かけた。</p>



<p>降りしきる雨の中、傘を片手に歩きながら考える。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「自分の心の穴は、自分にしか埋めることはできません。その穴を埋めるには、まず形を確かめないといけないんです」</p>
<cite>p130</cite></blockquote>



<p>本書の中での、カウンセラーの本田さんの言葉だ。</p>



<p>わたしにはわたしの穴がある。それは確かに感じている。でも、その穴の形はいまだに把握できていない。近づこうとしても、モヤがかかって見えなくなってしまうような感覚がある。</p>



<p>それでも、その穴の正体をわたしは知りたい。</p>



<p>土門さんにとっての救いが「書く」ことだったように、わたしにも何か救いとなるものがあるのだろうか？</p>



<p>そんな問いを持ちながらこの本を読んでいく中で、最後にひとつだけわかったことがある。</p>



<p>それは、土門さんにとっての救いである「書く」ことは、わたしにとっては全く逆かもしれないということだ。</p>



<p>わたしは「書く」ことを自分に課している。こうして読んだ本の感想を書くことも、「そうしないとお前には価値がない」と思っているからではないか？</p>



<p>そんな思いが湧いて出たとき、まさかと思った。わたしは好きで書いているはずだ。そう自分に言い聞かせてきたのに、もしかすると本当のわたしは「書く」ことを望んでいないかもしれない。</p>



<p>これは突発的に湧いた気持ちであるから、本当のところはまだわからない。今後、やっぱり好きだと思い直すかもしれないし、文章を書くこと以外で自分を許す必要が出てくるかもしれない。</p>



<p>どちらにせよ、この『死ぬまで生きる日記』は、わたしに大きな問いを与えてくれた。わたしはこれから、わたしの穴と向き合ってその形を知りたい。そして、そのままの自分を受け入れたい。いつかくるその日まで、この本を傍に置いて何度も読み返すことになると思う。</p>


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		<title>『ありふれた家を建てる』感想──地に足のついたリアルな家づくりエッセイ</title>
		<link>https://bluelog-note.com/arihuretaie-9651</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 02 May 2026 01:42:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://bluelog-note.com/?p=9651</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/ad0c9dd45ef7bca1a71d8b43f9be0d1c-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>家を建てるのは、わたしの夢です。自分の理想が詰まった一軒家で暮らすことを長年夢見てきました。 しかし、家を建てるとなると夢見がちばかりではいられません。家づくりのリアルをばっちりと見せてくれる地に足のついたエッセイを読み [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/ad0c9dd45ef7bca1a71d8b43f9be0d1c-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>家を建てるのは、わたしの夢です。自分の理想が詰まった一軒家で暮らすことを長年夢見てきました。</p>



<p>しかし、家を建てるとなると夢見がちばかりではいられません。家づくりのリアルをばっちりと見せてくれる地に足のついたエッセイを読みました。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>『ありふれた家を建てる』は、小説家である椹野道流さんが家を建てる、ただそれだけの話です。それだけなのに、すったもんだの喜劇になっているおもしろい作品。</p>



<p>しかも、家を建てたのは17年前のこと。</p>



<p>建ててすぐのほやほやではなく、しっかりと住んでから振り返る形で書かれることで、冷静な目線で家づくりについて語られています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>読み進めながらまず出てきた感想は、「全然ありふれてない！」。</p>



<p>本をたくさん収納できる部屋、宅配荷物を置くための小部屋、猫が出られる柵付きのベランダ……椹野さんから出てくる要望は、いわゆる「普通の家」とは違うものに感じました。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>わたしが求めているのは、ただの「ありふれた家」です！</p>
<cite>p80</cite></blockquote>



<p>ここで言う「ありふれた」というのは、施主である椹野さんにとっての「当たり前」であること。</p>



<p>小説家という特殊な職業、そして独身ひとり暮らしの女性は、ハウスメーカーにとっての常識が通用しない相手だったよう。椹野さんと担当者の攻防が赤裸々に語られています。</p>



<p>とはいえ、読者であるわたしは椹野さんの主張に共感する方が多かったように思います。</p>



<p>例えば、コンセントはとにかくたくさんあった方がいいという要望。これは17年前だからかもしれませんが、担当者からは「そんなにいります？」という反応をされています。</p>



<p>今の時代、コンセントほどいくらあっても困らないものはない。わたしも家を建てるならきっと同じことを望むでしょう。</p>



<p>そう、このように、本書は家を建てることに関してとことんリアルに描写されています。</p>



<p>17年前とは思えないほど詳細に、ハウスメーカーの方とのやりとりが再現されており、1冊読み終わるとまさに自分が家づくりをイチから経験したかのような満腹感があります。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>十七年を踏まえた経験談であるからこそ、「いつかマイホームがほしいな」とぼんやり思っている人にこそ、何か伝わるものがあるのではないかと。</p>
<cite>p11</cite></blockquote>



<p>まさに「ぼんやりと」一軒家を夢見ていたわたしにとって、この本は現実をはっきりと見せてくれた初めての存在となりました。</p>



<p>家を建てることを少しでも考えているならば、読んでおいて損はない。そんなエッセイとなっています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>やはりこの手の本は、読みながら「自分が家を建てるとしたらどうなるだろう」と考えずにはいられないですよね。</p>



<p>わたしはハウスメーカーの方にどんな要望を出すだろうか、と夢想してみたところ、実は椹野さんと同じ悩みを抱えていることに思い至りました。</p>



<p>それが、本の存在です。</p>



<p>椹野さんほどではないものの、わたしは所有している本の冊数が人よりは多め。現在、本棚として使っているラックはもう限界を迎えていて、パンク寸前です。</p>



<p>もし一軒家に住めるなら、わたしは書庫がほしい。図書館の書庫のような、本棚をぎゅうぎゅうに詰め込んだ一部屋があったら……と、もう入る隙のない本棚を前にしていつも夢見ています。</p>



<p>そして、これも椹野さんの「仕事部屋」と少し似ているのですが、自分専用の作業部屋がほしい。</p>



<p>わたしの趣味は、こうして文章を書くことのほかに、絵を描いたり服を作ったり、何かしら作ること。</p>



<p>今はその作業を大きめのダイニングテーブルで行っているのですが、ダイニングはあくまでダイニング。日中に広げたものは夕方、夕食を作るタイミングで邪魔になり片付けなければいけません。</p>



<p>いいところでミシンを止めて、布をたたんで、糸くずを取って……ああ、なんて面倒なんでしょう。</p>



<p>だから、服を作り始めたら作り終えるまで広げっぱなしにしておけるスペースがほしい。描き始めた絵をほっぽらかしておける机がほしい。</p>



<p>制限なく望むなら、わたしはこの「書庫」と「アトリエ」を所望するだろうと思います。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>わたしにとっての「ありふれた」家ってどんなだろう。家を建てるという人生においての大イベントを疑似体験させてくれる貴重な読書体験でした。</p>



<p>自分の中で、家づくりというものへの解像度が1段階高くなったなと感じています。</p>


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		<title>『世界99』感想──「本当の自分」が揺らぐディストピア小説</title>
		<link>https://bluelog-note.com/world99-8646</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 03:24:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書籍]]></category>
		<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://bluelog-note.com/?p=8646</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/aec05481ca4cde3a60d8a57b4c8f98a7-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>『世界99』を読んでいる間、わたしはずっとつらかった。人間のさまざまな感情や欲望、きれいではないそれらをまざまざと見せつけられたから。 「普通」とは、何を指すのか。わたしはこの登場人物たちに共感していいのか、反発すべきな [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/05/aec05481ca4cde3a60d8a57b4c8f98a7-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>『世界99』を読んでいる間、わたしはずっとつらかった。人間のさまざまな感情や欲望、きれいではないそれらをまざまざと見せつけられたから。</p>



<p>「普通」とは、何を指すのか。わたしはこの登場人物たちに共感していいのか、反発すべきなのか。悩みながら読んだ。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>「自分」を持たない女性・空子。周囲の人々に合わせて「呼応」「トレース」し、その場その場で人格を使い分けて生きている人物が物語の語り手だ。</p>



<p>この世界には「ピョコルン」という愛玩動物が存在する。ピョコルンは人間に都合の良いように改良を繰り返され、徐々に家事や出産などの厄介な物事はすべて彼らが引き受けていくようになる。</p>



<p>『世界99』は、からっぽな人間である空子の生涯と、彼女が生きる世界を描いたディストピア小説である。</p>



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<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>私がこの小説を読みながら考えていたのは、「自分らしさ」って何だろう、ということだ。</p>



<p>空子は徹底的に「自分」というものがない。接する相手に対して徹底的に「呼応」し、相手に合わせた自分を「トレース」して作り上げる。</p>



<p>いくつもの人格を作り出した彼女には、所属する世界がいくつもある。世界①、世界②、世界③……。その世界に合わせた人格に自然となりきり、世界を行き来しながら生きている。</p>



<p>究極な「自分」のなさは、この小説を読んでいると主人公の異常性として読めると思う。しかし、「空子的」な部分は人間なら誰しもが持っているものではないかとわたしは感じる。</p>



<p>人によってその要素の大小はあれど、接する相手に合わせてキャラクターを作ったり、属するグループによって違う自分がいることってけっこう普遍的なことじゃないだろうか。</p>



<p>主人公ほどではなくても、わたしもその場その場で適切な自分を使い分けていた感覚がある。 </p>



<p>例えば、学生時代。家での自分と学校での自分には、明確なキャラクターの違いがあった。</p>



<p>外でのわたしはいわゆる「いい子」を演じており、物分かりが良く、いつもおとなしく人の話を聞いていた。</p>



<p>逆に家では、だらしなくて一度座るとなかなか動かない、面倒くさがりな面が強かった。</p>



<p>他にも、習い事教室での自分、仲の良い友人と遊ぶときの自分……。わたしという人間は１人だけど、複数存在していたんだと思う。</p>



<p>だから、空子はわたしと地続きの存在なのでは、と思う。そう思わされることは、自分にとっては少し怖い。</p>



<p>空子には「自分」がないからだ。</p>



<p>空子を見ていると、本当の自分というものが揺らぐ。わたしが「これが自分だ」と思っているものも、誰かに「呼応」「トレース」した結果できたものに過ぎないのではないか。そんな考えが浮かんでしまう。</p>



<p>空子の極端さに怯えながらも、同時に共感も覚える。そしてピョコルンが存在するこの世界では、面倒だったり汚かったりするものはすべて彼らに丸投げできる。</p>



<p>この小説は、人間のあまり向き合いたくない部分に強制的に目を向けさせられるような読後感だった。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>わたしはこのディストピアを、完全に否定することはできない。そのことに途中で気がついた。だからこそ、読みながらずっと「つらい」と感じていたのだろう。</p>



<p>「自分らしさ」とは、そして真の意味で「美しい」世界とは。自分の価値観を揺さぶられる読書体験だった。</p>


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			</item>
		<item>
		<title>待望の新作と過去の名作に歓喜──レミオロメン「SINGLES BEST+」感想</title>
		<link>https://bluelog-note.com/remioromen-singlesbest-9283</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[やまねあおい]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Mar 2026 09:37:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[カルチャー]]></category>
		<category><![CDATA[音楽]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://blueium.jp/?p=651</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/03/e4966ea076319bcb3ac0fa6536bea10b-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>14年間、活動を休止していたレミオロメン。昨年2025年12月に再始動を発表して、2026年3月のこの度ベストアルバム「SINGLES BEST+」をリリース。 長年のファンであるわたしは、このアルバムの発売を心待ちにし [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://bluelog-note.com/wp-content/uploads/2026/03/e4966ea076319bcb3ac0fa6536bea10b-1024x576.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p>
<p>14年間、活動を休止していたレミオロメン。昨年2025年12月に再始動を発表して、2026年3月のこの度ベストアルバム「SINGLES BEST+」をリリース。</p>



<p>長年のファンであるわたしは、このアルバムの発売を心待ちにしていました。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>「SINGLES BEST+」は、これまでの全シングル曲22曲、カップリング曲などのオリジナルアルバムに未収録の21曲、そして再始動後の新曲「さあはじめよう」「100億の承認欲求」の2曲が収録されている大ボリューム盤。</p>



<p>新規ファンにもまずこのベストアルバムを聴いてもらえばよさそうな充実の内容となっています。</p>



<p>わたしは初回限定版を購入したので、さらにこれまで発表されていた全MV24曲と活動再開に合わせて公開されたスタジオライブの5曲を収録したBlu-rayもついてきました。</p>



<p>合わせると円盤4枚。CDジャケットの分厚さにこれまでのレミオロメンの歴史を感じて、グッときます。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" src="http://blueium.jp/wp-content/uploads/2026/03/DSCF7037-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-656"/><figcaption class="wp-element-caption">予約特典でクリアファイルもゲットしました</figcaption></figure>



<p>このベストアルバムの詳細を知ったときについガッツポーズをしたのが、カップリング曲の収録。</p>



<p>レミオロメンのカップリング曲は名曲揃いでファンからの人気も高いのですが、シングルCDに収録されたのみの曲が多く、まとめて聴く手段が今まではありませんでした。</p>



<p>活動休止前のレミオロメンを応援していた当時のわたしは、小〜高校生。金銭的にもシングルCDまですべて集めることはなかなか厳しくて。カップリング曲も聴きたいけれど、その手段が限られていて大変くやしく思っていたのでした。</p>



<p>だから今回のベストアルバムは、本当に待望なのです。シングルとしてリリースされた曲だけでなく、オリジナルアルバムに収録されてこなかった曲までも楽しめるなんて！</p>



<p>早速3枚のCDを順番に聴きながら、改めてレミオロメンの魅力をしみじみ噛み締めています。</p>



<p>ちなみにわたしは「オリオン」がレミオロメンの中でもトップレベルで好きな曲でして。「恋の予感から」のカップリング曲なんですけど、寒い冬景色を美しく描写したどこかさみしげな歌詞とメロディが今聴いてもやっぱり大好き。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" src="http://blueium.jp/wp-content/uploads/2026/03/DSCF7039-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-663"/></figure>



<p>そして「SINGLES BEST+」の目玉は、何と言っても2曲の新曲でしょう。</p>



<p>アルバム発売日より前にMVがYouTubeで公開されたのでまずそちらを視聴しましたが、ああ、本当にレミオロメンが帰ってきたんだなあと感動が込み上げました。</p>



<p>「さあはじめよう」は、タイトルの通り再始動を歌った1曲。これから彼らが進んでいくであろう明るい未来が描かれています。</p>



<p>MVがまた、レミオロメンファン泣かせでねえ。過去のライブグッズをたくさん集めた部屋が用意されていたり、バンド名決めのじゃんけんを想起させる演出があったり……待っていたファンへのサービス精神にじんと来ちゃいました。</p>



<p>再始動にふさわしい、懐かしさと新鮮さの両方を味わえる素敵な曲。気づいたら口ずさんでいる、キャッチーさも魅力です。</p>



<p>「100億の承認欲求」は、ベストアルバム発売日にリリックビデオが公開されましたね。美しい映像とともに歌詞を追いました。</p>



<p>爽やかでカラッとした「さあはじめよう」から一転して、こちらはしっとりとした印象の曲。</p>



<p>再始動時にメンバーそれぞれがコメントを発表しましたが、藤巻さんがその中で「承認欲求」という単語を出しています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>20代の自分を苦しめたのはきっと承認欲求だった。(中略)そして気づけば、あの頃の承認欲求は僕の中から消え、僕らの止まった時が動き出した。</p>



<p class="has-text-align-right"><a href="https://remioromen.jp/news/detail/Fxv1qGZeLf5izHUqUS2S" target="_blank" rel="noreferrer noopener">活動再開に向けてメンバーからのコメント</a>より</p>
</blockquote>



<p>承認欲求というものに振り回される感覚は、身に覚えがありすぎる。藤巻さんはこう言われていますが、30代のわたしはまだ苦しい最中。</p>



<p>だからこの曲を聴いたとき、わたしは少し救われる思いがしました。誰かにわたしの声を聴いてほしい、そんな孤独を肯定されたような気がしたから。</p>



<p>サウンドもレミオロメンらしさを感じて、早くも自分にとって大切な曲になっています。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p>再始動から約3ヶ月、テレビやラジオへの出演も多数あり、またこうしてレミオロメンの活動を追えることが幸せな毎日です。</p>



<p>ベストアルバムときたら、次に期待してしまうのはシングルやアルバム。今後も1ファンとして応援を続けていきます。</p>


<div class="swell-block-postLink">			<div class="p-blogCard -internal" data-type="type1" data-onclick="clickLink">
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						<a class="p-blogCard__title" href="https://bluelog-note.com/remioromen-reunion-9228">もう一度はじまる、もう一度追いかける。レミオロメン再始動について</a>
						<span class="p-blogCard__excerpt">もう、これ以上うれしいニュースはない。</span>					</div>
				</div>
			</div>
		</div>]]></content:encoded>
					
		
		
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