こんにちは、あおい(@aoironote16)です。
お笑い芸人の矢部太郎さんが描いたマンガ『大家さんと僕』。
表紙のゆるい絵に惹かれて手に取ってみました。
絵柄と内容がマッチして、読むとあたたかい気持ちになる素敵な作品です。
『大家さんと僕』あらすじ
みんな、ほっこり!奇跡の実話漫画。
出典:新潮社
カラテカ・矢部太郎さんが住むことになった家。
その1階に住む大家さんは87歳の上品なおばあちゃんでした。
留守中に雨が降ってくると勝手に洗濯物を取り込んでくれるなど、はじめは大家さんの距離の近さに戸惑う矢部さん。
しかし、気づけば2人の間には固い「友情」が生まれています。
87歳の大家さんと39歳の矢部さんは見ている世界も違います。
大家さんと街を歩くと、いつもと違う発見があったり。
一緒に旅行に行くほど仲の良くなった2人の、お互いを想う気持ちには読んでいる私までほっこりしました。
ほとんど共通点のない2人の不思議な関係を描いた実話マンガです。
ちなみに、公式サイトで冒頭部分の試し読みができるので気になる方はぜひ。
>>矢部太郎『大家さんと僕』みんな、ほっこり! 奇跡の実話漫画。-新潮社
『大家さんと僕』感想
全体を通しての印象は、「ゆるい絵でさらりと読めるけど、心にちゃんと残る作品」という感じ。
とても読みやすく優しい内容なので、疲れたときでも心にすとんと入ってくる作品です。
大家さんの人柄が素敵
この作品の1番の魅力は、なんといっても大家さんの人柄だと思います。
とにかく上品で素敵なおばあちゃんである大家さんは、きっと一緒にいると楽しいだろうなと思いました。
いつもきちんとした格好で、挨拶はいつも「ごきげんよう」。
僕は生まれて初めて「ごきげんよう」と挨拶する人に出会いました。
出典:『大家さんと僕』
という矢部さんの心の声に同感です。
いつもきれいな格好をして早寝早起き、きちんと生活されています。
終戦時に17歳だったという大家さんは、戦争の話もよくします。
好きなタイプはマッカーサー元帥という、なんとも味のあるチョイス。
テレビはほとんど観ないため芸人である矢部さんのことも知りません。
そんな大家さんに「俳優さん?」と訊かれて肯定してしまうという、小さな嘘をつく矢部さんなのでした。
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2人の不思議な関係に癒される
年齢も性別もかけ離れた大家さんと矢部さんは、普通ならそこまで仲良くなることもないだろうと思います。
しかし、2人の関係を見ていると「年の離れた友達っていいな」と感じるようになりました。
2人で昼食を食べに出かけたとき、大家さんは「うどん屋さんに行きましょう」と提案します。
その町はよく行くところだったにもかかわらず、矢部さんはうどん屋があることを知りませんでした。
逆に、矢部さんがよく行く牛丼店やハンバーガー屋の存在を知らなかった大家さん。
同じ町でも人によって見ているものは全く違うんですね。
同世代の友達といるときには気づけないような、いろんなことを知ることができる。
大家さんとの関係はそんな素敵なものなのです。
ゆるい絵柄でさらりと読める
この漫画は矢部さんのゆるいタッチの絵柄あってこそだと思います。
しかし、ゆるいからといって「薄い」わけでは決してありません。
印象に残ったシーンがあります。
矢部さんがお笑いの仕事で苦労し、「この仕事向いてないのかも…」と悩むところです。
すっかり落ち込んで大家さんに相談したところ、出てきたアドバイスは戦時中の辛かった話。
とまどいながらも「したいことができている幸せ」をかみしめてがんばる決意をする矢部さんなのでした。
軽いタッチで描かれてはいますが、この仕事に対する悩みにはちょっと共感。
「本当にやりたい仕事って何?」というもやもやに惑わされることも多いですよね。
こういうちょっと重くなりがちな話題も、矢部さんのゆるい絵で描かれているとなんだか柔らかい。
そしてその後仕事の辛さから現実逃避する矢部さんを見てくすりと笑えたりするのでした。
しかしお笑い芸人さんって絵を描いたり小説を書いたり、多彩な方が多いですよね。
「人を楽しませたい」という思いが多方面で活かされてるのかな。
まとめ
- 『大家さんと僕』2人の関係にほっこり
- さらっと読めるけど心に残る大事な作品
矢部さんは今も大家さんの家の2階に住んでいるそうです。
家族のような友達のような2人の不思議で素敵な関係が、この先も続いていきますように。
それでは!