わたしには「手掌多汗症」という疾患があります。平たく言うと手汗を異常にかく症状のこと。
たかが手汗と思われるかもしれませんがこれが意外と厄介で、日常生活にも支障をきたすことがあるんです。
そんな物心ついた頃から付き合いのある手汗について、4回にわたって書いてみようと思います。第1回の本記事は、手掌多汗症によって被ってきた不便や苦労について。
手汗との付き合いのはじまり
まず、手掌多汗症の発症についてですが、明確にいつからというのは覚えていません。しかし意識するようになったきっかけというのがあり、わたしの場合それはピアノでした。
幼稚園児だったとき、ピアノ教室に通い始めました。ピアノを弾くようになってはじめて「手汗で困る」という経験をしたと記憶しています。
そのときは母が皮膚科に連れて行ってくれたのですが、当時は良い治療法がなかったのか塗り薬を出して様子見という感じ。残念ながらその塗り薬も全く効果はなかったようです。
そこから現在に至るまで、わたしと手汗の付き合い(もしくは戦い)が続いています。
手汗による不便や苦労

手汗が多いことによる不便や苦労は、想像しにくい方もいるかもしれません。
しかし手というのは生活においていつも使うもの。それが常に濡れているというのは想像以上に不快なことなのです。
わたしが手掌多汗症によって日常生活で苦痛に感じていることを具体的にいくつか挙げてみます。
紙が濡れる
ノートに置いた手の汗で紙がびしょびしょになってしまう。これは学生時代、本当につらかったことです。
自分のノートならまだいいけれど、テストの答案に汗のしみができたりして、そうすると回収してもらうときに恥ずかしい気持ちになっちゃう。
本を読むときも、うっかりすると紙がへなへなになってしまうことがあります。大事な本は特に気をつけて、手にハンカチを添えたりこまめに汗を拭き取ったりしながら読んでいます。
商品が濡れる
買い物の時、レジで商品を渡すときも手汗が気になることがあります。持っていた商品に汗がついていると、店員さんに不快な思いをさせてしまうかもと焦ったり。
お釣りをもらう時も直前に手汗を拭ったりしています。
とにかく他人に手汗が触れてしまわないように。それを気をつけながら日常生活を送ってきました。
ハンドルが滑る
車の運転でハンドルを握っている時も手汗が気になって仕方ありません。
手が滑りそうになることがありますし、単純にぬるぬるして不快です。信号で止まるたびに膝に置いたハンカチで汗を拭き取っています。
高校時代は自転車通学をしていたのですが、その時もひどくて。学校に着く頃にはハンドルを握る手から汗が滴り落ちるほどでした。
わたしの手汗の現状はこんな感じ。
他にも「食器洗いで滑る」「趣味の刺繍が楽しめない」などなど挙げるとキリがないですが、つまりはとにかく「濡れる」「滑る」との戦いなんです。
だから日常生活では手汗を拭く用のハンカチが手放せず常に携帯しています。何ならもう1つ、書き物をするときに手の下に敷く用のハンカチも常備してるくらい。
おわりに
以上、手掌多汗症を患うわたしのリアルな困り事でした。
同じく手汗で困っている方には共感していただけたかもしれません。また、周りに「手汗がひどくて……」という方がいる場合にはその理解につながると幸いです。
次回は、そんなわたしが日常生活の中で行なっている工夫について触れていきます。